ふたば学舎の日常

このブログでは【NPO法人ふたば(ふたば学舎指定管理者)】からの情報をお伝えしています。

まちの文化祭ポスター完成

旧称・神戸市立地域人材支援センター時代から恒例の秋のお祭り「まちの文化祭」のポスターが完成しました。で、JR新長田駅改札前の階段を降りた所にある、ふたば学舎の看板に貼ってきました。

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開催日時は、11月13日(日)10:00~16:00です。今回は屋台の数が増えていることもあり、お祭りムードがいつも以上に高まること間違いなしです。また、展示と舞台に屋外イベントとパフォーマンスも加わって、内容が充実していますから、きっとご来場のみなさんには、まちの文化祭当初に掲げたテーマ「笑って遊んで学んじゃおう!」の通りに楽しんでいただけるでしょう!

詳細はこちら↓

ふたば学舎(神戸市立地域人材支援センター) - まちの文化祭2016

ご来場お待ちしております!!(やまずみ)

震災の記憶を歌で、体験学習で、映画で伝える

10/1(土)西区民センターで被災の語り歌コンサートを実施しました。12人の参加者で、練習用音楽室という広くない場所で行ったせいか、シンガーソングライターの石田裕之さんの声がダイレクトに届く濃密なコンサートになりました。ちょっとした試みとして1曲、震災の記憶を分有するため、参加者のみなさんに「被災者の声」を(石田さんの演奏をバックに)読んでいただきました。

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そして本日、10/4(火)、高知県立高知南中学校2年生118名を対象に震災体験学習を実施しました。炊き出し体験と避難所体験という内容で、避難所体験では実際の避難生活を想像し、どういう問題が起こるか具体的に発表してもらいました。みなさん、南海トラフ地震のことも考慮に入れて取り組んでいました。

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最後にイベントのお知らせですが、10/29(土)13:30~15:15、当館3階講堂で震災関連映画の無料上映会を行います。上映する映画は『遺体~明日への十日間~』です。申し込みは不要、定員は先着200名、当日の開場は12:30からです。

ふたば学舎(神戸市立地域人材支援センター) - 映画上映のお知らせ

(以下、Facebookでお知らせしたのと同文)大規模災害の犠牲者は真の被災者であるにもかかわらず、阪神・淡路大震災だと6434人というふうに、数字であらわされてしまいます。それに対して、東日本大震災の被災地の遺体安置所を舞台とするこの映画では、一人一人の犠牲者とその犠牲者に向き合う人々の姿が描かれます。そして、災害時の遺体安置所でいかに一人称の死(私の死)、二人称の死(あなたの死)、三人称の死(だれかの死)が交錯するかを見ることができます。この映画をご覧になって、あまり触れられない震災の記憶の側面について思いを巡らせていただきたいと思っています。(やまずみ)

震災の記憶の声を伝える「被災の語り歌コンサート」

明日10/1(土)は、神戸市立西区民センターの音楽室で18:30から19:30の間、被災の語り歌コンサートを行います。ふたば学舎の外で行うのは2回目です。

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阪神・淡路大震災から21年経っても、未来の防災のために伝えられるべき震災の記憶と教訓は数多く残っていると思います。もちろん忘却の川に流れ去った記憶も数知れずあるでしょう。

被災の語り歌コンサートは歌を通して震災の記憶を伝えようとするもので、主役は「声」です。語り歌を歌うシンガーソングライターの石田裕之さんの声、被災者の声、あるいはオーディエンスの声・・・。伝えるべき記憶の具体的な内容より先に、まず記憶の声を届けることができればいいのですが。

(以下、余談)

ところで、最近、詩人・金時鐘さんの『朝鮮と日本に生きる』(岩波新書)を読んだのですが、それは20年ほど前に大阪で聞いた金さんの講演での圧倒的な声の力の源泉を改めて確認したかったからです。私が聞いた金さんの声は、特に大きな声とかよく響く声ではなくて、鬼気迫るものがあり、異様に心をえぐられた記憶があります。『朝鮮と・・・』を読むと、その声は、皇国少年だった植民地時代、済州島四・三事件、その後行きついた大阪・猪飼野朝鮮語授業を担当していた兵庫県湊川高校・・・それらを通過してきた声(本では文体から浮かび上がる声)だったように思えます。

そうはいっても、あの時の圧倒する声の力はいまだ得体の知れないものですが、『朝鮮と・・・』を介して、震災の記憶を伝えるのに「声」が大切であることを考えさせられました。

金さんの他の著作『「在日」のはざまで』に次のようなエピソードが紹介されています。湊川高校時代に金さんは、授業をつぶそうとする生徒と長時間対峙し、こう述べます、「正直に言おう。私に勇気があって、その場を耐えたのではない。しいたげられてきた者のひとりとして、本当におこったときの怒りが何であるかを、私は知っていただけなのだ」と。

本当に伝えるべき震災の記憶は何でしょうか?(やまずみ)

今日は2件の震災学習

本日、2件の震災学習を実施しました。

まず、9時から福島県立修明高等学校2年生166名を対象に、まち歩き体験を行いました。10グループに分かれて、ガイドによる阪神・淡路大震災時の被災状況とまちの復興についての説明を聞きながら、六間道から鉄人28号モニュメントにかけて歩きました。

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その後、11時30分から福岡県明光学園中学校3年生37名を対象に、災害食体験を行いました。ポリ袋で米を炊き、同じくポリ袋でポトフを作りました。ご飯は各自が作った紙食器に盛って食べましたが、ご飯もポトフも美味だったようです。

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どちらも短時間の震災学習でしたが、生徒のみなさんに阪神・淡路大震災の記憶と教訓が伝わっていることを願います。(やまずみ)

230人の震災学習と22人の震災学習

ふたつの震災学習を実施しました。

9月15日に各務原市中央中学校3年生230人を対象に避難所体験。

9月20日には、台風が通過していく中、神戸女子大学2年生22人を対象にスライド学習・避難所体験・炊き出し体験・語り部体験談・まち歩き体験・防災の知恵学習を行いました。

中学生230人でいっせいに避難スペース作りを行うと、さすがに混み具合は実際の避難所の感じになりました。

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▲中学生230人!はじめの挨拶。

 

大学生22人対象の震災学習は、9時から17時にかけて内容みっちりで実施しました。

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▲大学生22人!まち歩き体験。

 

中学生、大学生、どちらも阪神・淡路大震災以降に生まれた人たちということもあり、今回の震災学習で被災の疑似体験をしてもなかなか実感はわかないと思いますが、彼/彼女らに意見を聞いたり、後でアンケートを読んだりしますと、色々と想像力を働かせてくれていたようです。ありがとうございました!

震災学習は来週、再来週も実施予定です。(やまずみ)

被災の語り歌コンサート・ツアー、第1回が終わり、次は第2回

9月10日(土)こうべまちづくり会館で実施した「被災の語り歌コンサート」は、延べ70名の来場があり、盛況のうちに終了しました。歌をお聴きくださったみなさま、共催のこうべまちづくり会館のみなさま、その他関係者のみなさま、ありがとうございました。

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新聞社の取材も受け、記事を掲載していただきました。

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 今回のコンサートでは、21年前に起きた阪神・淡路大震災の多様な記憶を伝えることに焦点を当てましたが、ジーンと沁み入る曲もありますから、あまり感傷に流されないように進行していきました。多様性といっても、みんなちがってみんないい、という側面もあれば、(特に震災では)違いが生む残酷さもありますから、阪神・淡路大震災における被災の多様性を被災者の言葉/声を媒介にして客観的に歌で伝えることができればと思っていました。

そのあたりのことは、歌と演奏の石田裕之さんに不思議と阿吽で伝わっていたようにも思います(あまり説明しなくても伝わるので楽です、深謝)。

被災の語り歌コンサートについての石田さんのブログは↓

2016年09月10日のブログ|石田裕之のブログ

 

第2回は10月1日(土)18:30~19:30神戸市立西区民センター音楽室です。参加ご希望の方は申し込みが必要です。定員20名。ふたば学舎(078-646-8128)までお願いします。

(やまずみ)

 

余分な追記:上記、石田さんのブログで「山住さんの司会進行も楽しかったです。僕とけっこう似たところがあるなーと感じる方なんですけど、正反対だと言われちゃいました。人の感じ方はそれぞれです」とありました。石田さん、失礼しました。あの時、「いすときゃ~たつ、ぜんぜんちが~う」と頭の中で歌っていたもんで・・・。

被災の語り歌とクオリア

被災の語り歌コンサート・ツアー、第1回公演(9月10日[土]14:00~15:00会場は、こうべまちづくり会館)が迫ってきました。

2016/9/10 被災の語り歌コンサート | イベント | こうべまちづくり会館

コンサートは、昨年1月17日にふたば学舎の旧称「神戸市立地域人材支援センター」がシンガーソングライターの石田裕之さんの協力を得てリリースしたCD「被災の語り歌」に基づく内容になる予定ですが、その場で即興的に変わるかもしれません。

その場に居合わせた被災経験のある人が語り出す/歌い出す、ということもある?かもしれません。そのためコンサートのチラシには「歌・演奏:石田裕之ほか」というふうに曖昧に記載しています。

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(▲2016年1月17日、ふたば学舎講堂で行った「被災の語り歌コンサート」の様子)

 被災の語り歌の企画段階から思っていたのは、集められた語り歌は被災全体を代表しないということです。被災者の被災の仕方は個々それぞれであり、被災に対する思いもそれぞれ異なりますので、被災経験の多様性が表現できればと考えていました(石田さんのおかげで実現できたと思っています)。

そうしたこともあり、CDに収められた曲は、1曲1曲が違った被災の「感じ」(クオリア)を表しています。その「感じ」をコンサートに来られた方に感じ取ってもらえればいいのですが、曲ごとで聴く人によって共感とか反感とか、感動とか無感動とか・・・いろいろ、それこそ多様な感じ方があると思います。どうなるのでしょうか?楽しみです。

(やまずみ) 

“Well, there’s one thing you can’t lose, It’s that feel.” (Keith Richards / Tom Waits)