広島で沖縄戦と阪神・淡路大震災、二つの記憶継承について考える
3月25日(土)広島で行われた日本発達心理学会第28回大会で、過去の記憶の継承について話し合ってきました。
「記憶の声を継承すること・現在を新たなものに変えること―沖縄と神戸の記憶をめぐる拡張的学習の社会的実践現場から―」と題するラウンドテーブルで、まず沖縄県宜野湾市にある佐喜眞美術館の上間かな恵さんが修学旅行生に対する沖縄戦の記憶継承について発表され、その後、私(やまずみ)がふたば学舎の震災学習における阪神・淡路大震災の記憶継承の取り組みについて発表。最後に全体討議を行いました。
戦争と震災の違いはありますが、過去の惨事をなぜ/いかに伝えようとしているか、ということについては共通点が多く見出せました。たとえば、学び手が過去の記憶を、パッケージ化されたものではなく、現在の自分に関わるものとして捉えるよう、容易に言葉で収まりきらない余剰を生むような学習内容になっているなど。その他、参加者の方々からの質疑で、ふたば学舎の今後の震災学習に活かせそうな考えを得ることができました。
それにしても、原爆ドームは戦争遺構として強烈です・・・。(やまずみ)
明日3/25(土)、被災の語り歌コンサートツアー最終回
明日3/25(土)14:30~15:30、被災の語り歌コンサートツアー最終回を行います。場所は東灘区民センター多目的ホールです(JR「住吉駅」下車、南側へ徒歩約2分)。最終回は、司会なし、ゲストなし、マイクもアンプもなしで、シンガーソングライターの石田裕之さんに生声・生演奏で阪神淡路大震災の記憶を伝える「語り歌」を歌っていただきます。参加無料、先着50名(申込不要)です。
ツアーは昨年9月に開始し、第5回となる今回が最終回です。
↓第3回(北神区民センター)の様子
↓第4回(こうべまちづくり会館)の様子
今後は「被災の語り歌」とは違う形で「語り」を探り、震災の記憶継承につなげていくことを考えています。
「被災の語り歌CD」は、ふたば学舎で継続して販売しておりますので、ご興味をお持ちの方はお買い求めください。定価1,000円、CDの売り上げは全て東日本大震災の義援金として寄付いたします。(やまずみ)
われ思う、ゆえにウェルネスダーツ
あ~あ、夢気分~、ぱぁ~ふぇくとぉ~♪
パーフェクトに中年となりますと、気持ちと体が一致しないことが多くなり、たとえば、子どもと外食に行って、よし、とんかつ定食ごはん大盛りで、などと注文したら、食べ切れそうにもなくて、しかし子どもの手前、残すわけにもいかず、無理して口に押し込んでいくというふうな、心と体の乖離する事態がよくあったりします。デカルトより完全な心身二元論。ランボーより「私は他者である」状態とでも言いましょうか・・・。
そんなわけでということは全然ありませんが、今週土曜日にふたば学舎で「ウェルネスダーツ大会」を実施します。素人でも簡単にできて、(点数を数えるので)頭と(打った矢を取りに行くので)体を動かして、健康にいいダーツです。優勝者にはちょっとした景品とほんとにちょっとした参加賞も出します。現在、参加者募集中です。(やまずみ)
チラシはこちら↓
被災の語り歌コンサート4回目が終わって、次は『がんばっぺ フラガール!』
2月25日(土)、こうべまちづくり会館1階で「被災の語り歌コンサートツアー」第4回を行いました。昨年9月10日にツアー第1回を同じ場所で開催しましたが、今回も多くの方に阪神・淡路大震災に関する語り歌を聴いていただきました。今回は前回と違って、シンガーソングライターの石田裕之さんのほか、語り歌を提供くださった方々にも出演していただきました。
コンサート終了時にお客さんから「ベリ~グッドっ!」という声がかかり、ありがたかったです。22年前に起きた震災の記憶を忘れずに伝えていく「被災の語り歌コンサートツアー」は3月25日(土)東灘区民センターが最終になります。
阪神・淡路大震災を忘れない『被災の語り歌コンサート』 | ふたば学舎
3月は、6年前に東日本大震災が起きた月ですが、19日(日)に震災関連映画『がんばっぺ フラガール!』の無料上映会を行います。
6年も過ぎると過去の記憶に思い至ることが減ってしまいますが、「天災は忘れた頃にやってくる」を教訓に、映画をご覧になって東日本大震災の記憶を想起していただきたいと思っています。(やまずみ)
レコード鑑賞会復活、そして孤独は云々
誰も覚えていないであろう過去の地味イベント「R&Rレコード、きいてく?」を3月17日(金)19:00~(20:00頃まで)、ふたば学舎音楽室2にて行います。参加無料で定員は先着10名です。ビートルズのレコードを大音量でかけます(別アーティストのレコードを持ち込んでもらってもかまいません)。
レコードをただ聴くだけのイベントですが、爆音で「デイ・トリッパー」を聴くと、ギターリフにロイ・オービソンの「オー・プリティ・ウーマン」の影響を体感することができるかもしれません・・・ふらっとお越しください。
↓2年前に不発に終わった「R&Rレコード、きいてく?」のチラシを改変しました。元ネタはシティライツブックストアのビート詩集です。
以下、備忘録的雑文です。
スーザン・ソンタグは「孤独は連帯を制限する、連帯は孤独を堕落させる。」(Solitude limits solidarity; solidarity corrupts solitude.)と言います(ソンタグ『良心の領界』)。
たとえば、地域コミュニティを考えた場合、人々のつながりは重要で、それに関連する事業を担当していると「つながり」や「交流」といった言葉を多用しがちになってしまい、孤独というか一人(solitude)であることの意味を見失うことがあります。それがひいては「連帯は孤独を堕落させる」になるかもしれません。しかし、(いきなりですが)スピノザ『エチカ』の自由人的な(??)発想では、自己は理性に従って善を追求し、その上で他者と連帯して全体的な能力を倍にするわけで、そもそもの孤独という観点は見過ごせないでしょう・・・。
そこで(?)、孤独と連帯が結びつくかどうかはともかく、参加者一人ひとりが音に浸る上記イベントを開催し、個々にとって有益な時間を過ごしたいと思います。ふらっとお越しください。(やまずみ)
『ゆきゆきて、神軍』上映会、原一男監督のお話は尽きず・・・
本日、『ゆきゆきて、神軍』上映会と原一男監督トークショーを開催しました。延べ70名の方にご参加いただき、『ゆきゆきて』の人気ぶりを実感しました。
それはやはり主人公・奥崎謙三さんの強烈な言動に由来するのかもしれません。奥崎さんに関する原監督のお話を聞いていると、生と死の両極に振り切っていく奥崎さんの姿が見えてきておもしろかったです。
予定ではトークショーは1時間でしたが、話は尽きず、35分過ぎたところで(次のご予定をうかがっていたこともあり)終了とさせていただきました。奥崎さんについては1つのエピソードを話すだけで3時間半かかるそうですが、それにしても30年前のことにもかかわらず、奥崎さんに関する記憶は鮮明に残ってらっしゃるそうで、驚きです。
↓昨年出版されたご著書にサインをしていただきました。「もっと過激に!もっと自由を!」
今回の上映会は地域活性化事業のプログラムで実施しましたが、映画を介した地域活性化についてはまた考えていこうと思っています。
ご参加くださった皆様、ご協力いただいたNPO法人神戸まちかどシネ倶楽部様、ご多忙の中時間を延長してお話し下さった原一男監督、ありがとうございました。
(やまずみ・・・次回は孤独について・・・たぶん)