ふたば学舎の日常

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第2回ジミーティング「洋楽ロック名曲ミーティング」&雑感(2)

第1回の失敗に懲りずに第2回ジミーティング(=脱力系会合)、
「洋楽ロック名曲ミーティング」を6月23日(土)に
開催します(開催というほどのことでもないのですが・・・)。
集合場所と時間は、センター2階「高齢者のふれあい・学びの場」、
11時から12時です。参加費も参加申込みも不要です。
気軽にご参加ください。

今回は、「洋楽ロック名曲ミーティング」ということで、
数ある洋楽ロックの曲から、これが最高ではないか!?
という名曲(あくまで主観で)について語り合う
好事家ミーティングです。一番説得力のあった人が勝ち
になります(何の勝ち負けかわかりませんが・・・)。

当初の予定では、ジミーティングにかけて
第2回は「Jimi(Jimmy)ティング」ということにしよう、
Jimi HendrixJimmy PageまたはJimmy Reedとか
ジミ(ー)とつくギタリストについて熱く語る
ミーティングにしようかとも思ったのですが、
それもあんまりなので(理由を曖昧にする便利な言葉!)、
もう少し広範囲に「洋楽ロック名曲ミーティング」にしました。

今回も参加者募集はこのブログだけです。
結果はどうなるでしょうか?
これで終わりになるのでしょうか??
楽しみです。


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●センターの音楽室にあるギターアンプ、フェンダーのツインリバーブ?です。
’82年〜’86年に発売されていたようで、丁寧に使いたいものです。

(担当:やまずみ)


「ロック」と書いたついでに以下、蛇足のような雑感(2)です。

何らかの問題を解決しようとするとき、手順としては
それがどのような問題であるかについて調査・分析をおこない、
解決策を立案して実施にいたるのがごく簡単な流れだと思います。
問題解決のプロセスについてはたくさんの指南書とか
ビジネス書がありますが、ロックを聴いていても問題解決の
ちょっとしたヒントを得ることがあります。
たとえば、ブルース・スプリングスティーン

彼の最新作『レッキング・ボール』は、
労働者の視点から見たアメリカの現状(低迷する経済と高い失業率)
に対する怒りに満ちたアルバムだと評されています。
それぞれの曲で、どん詰まりにいるのだけど微妙に異なる人物が登場し、
彼らの多様な声をスプリングスティーンが響かせることによって
「怒り」といったアルバム全体の強い色合いを生み出しています。
また、アルバムにはゴスペル、フォーク、アイリッシュ・トラッド、
ロックンロール、ヒップホップなど歴史的に、というか歴史はめぐるかの
ように循環的に発展してきた様々な音楽の要素が取り入れられているからか、
人々が暮す共時的な水平線に音楽の通時的な垂直線が交差するといった感じで、
そうした交差を目(耳?)の当たりにして1曲終わるごとに
「ジーン」(何かよくわかりませんが・・・)としてしまいます。

さて、YouTubeに出ているスプリングスティーン自身による
アルバムの解説(http://www.youtube.com/watch?v=cEdX2IT41eE
によると、アルバム中の各曲のストーリーをまとめ上げる方法は、
彼が提起した問い(Do we take care of our own?)に対する答えの
提示ではなく、問題を前に進めるようにしたとのこと(not necessarily
to answer the question that I asked, but to move the question forward)。

問題を先に進めるためには、その問題に寄り添いながら問題を
多角的に捉える(もしくは深く入り込む)必要があると思いますが、
確かに『レッキング・ボール』は各曲のストーリーにおける
微妙に異なる複数の視点と多声、そしてそれらのストーリーに乗っかる
多様な音によって問題を多角的に捉えているアルバムだと考えられます。
しかし問題をそのように多角的に捉えても、
いつか答が出るようには思えません。答えはすでにあるからです。

スプリングスティーンは、自身の仕事をアメリカの現実と夢との間の
距離を判断することだと言います(My work has always been about
judging the distance between American reality and
the American dream --- how far is that at any given moment.)。
アメリカは実体(理想像、夢)が未来に先送りされた国であり、
常に現実と実体が乖離していると考えれば、
アメリカの現実の中から浮かび上がった
スプリングスティーンの問い“Do we take care of our own?”に
対する答えは“We take care of our own.”という未来像になるでしょう。
ですから、答えはすでにあると考えたのですが、
それはともかく、重要なのは問いと答え(現実と夢)との間の距離
または関係であるようです。
スプリングスティーンは『レッキング・ボール』において、
その関係の網目に絡まる人々の文脈・関係性を紡ぐことによって
問いを先に進めているように思えますから。

何らかの問題を解決しようとするとき、問題の分析に関する
数値化された科学的情報以上に、問題にかかわる人々の
多様な文脈・関係性を把握する試みは
「ジーン」とすることかもしれません。

ということで、スプリングスティーンの名曲ではなくアルバムに
ついて書きましたが(まだ書きたい気もするのですが)、
実は私はそれほど彼に詳しくありません。
ので、第2回ジミーティング「洋楽ロック名曲ミーティング」に
スプリングスティーンのファンの方がいらっしゃって
彼の名曲について語ってもらえれば嬉しいです。

*経済誌のフォーブスForbes)には、スプリングスティーン
ライブ・パフォーマンスから学ぶ(ビジネスにおける)リーダーシップ
の5要因を述べる記事があり
http://ameblo.jp/high-hopes/entry-11247357499.html)、
やはりロックが色々と気付かせるものであることを示しています。

(やまずみ)