ふたば学舎の日常

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防災ワークショップ「どうする?避難所運営」の開催

昨日7月3日(水)、防災ワークショップ「どうする?避難所運営」を実施しました。神戸市内の防災福祉コミュニティや社会福祉協議会、民生委員など災害時の避難所/福祉避難所運営にかかわる方々、そして兵庫県立大学大学院の院生、計21名の参加がありました。

ワークショップは二部構成で、まず昨年7月の西日本豪雨の被災地となった広島県三原市西部の松江・小原地区で避難所運営に携われた宮垣里枝さんにその体験談を語っていただきました。

f:id:npofutaba:20190703125148j:plain7月6日に避難所となった沼田西小学校には一時避難者も含めて約70名の方が避難され、主婦の宮垣さんは閉所される8月25日まで運営にかかわられました。それまで避難所の経験や知識のなかった宮垣さんは、行政やボランティアなどの支援を受けながら、避難者と協力して状況に応じた運営を続けたのですが、特に手洗い・消毒などの衛生管理は徹底し、食中毒や感染症の予防に気をつけたそうです。その他、生活の細やかなことについては男性だとなおざりにしそうなことがありますから、避難所にはやはり女性視点が欠かせないことがわかりました。

その後の二部では、福祉避難所運営シミュレーションゲームを、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科・阪本真由美准教授の指導の下、おこないました。

f:id:npofutaba:20190703142123j:plain福祉避難所は通常の避難所での生活が難しい障がい者・高齢者・妊産婦などの要配慮者を受け入れる施設ですが、実際の災害時に設置されないという問題があります。設置の難しさは、病院や福祉施設と通常避難所の中間に位置することが一因となっているようです。今回おこなった机上のシミュレーションゲームでは、南海トラフ地震が起き、参加者が避難所となったふたば学舎の職員として対応するという想定で、カードに記載された要配慮者を適切な場所に配置していきました。その配置の途中でいくつものイベント(出来事)が起き、対応が求められるのですが、糖尿病性網膜症など聞き慣れない用語を確認する必要があり、みなさんイベントごとに想像上の対応に追われていました。

f:id:npofutaba:20190703152924j:plainゲームをおこなったのは90分ほどの短い時間でしたが、みなさんの福祉避難所に対する意識を高めることができたように感じました。もし今後、災害時の避難所運営にかかわることになれば、二次避難所である福祉避難所の開設についても考え及ぶ必要がありますので、今回のシミュレーションが参加のみなさんにとって防災/減災のさらなる備えを考えるきっかけになったらと思います。(やまずみ)