出勤の電車の中で、久しぶりに「橋をかける」本を読みました。
この本は、1998年の第26回国際児童図書評議会ニューデリー大会で、
「子供の本を通しての平和」のテーマで、
美智子皇后様が基調講演者として参加なさる予定でしたができず、
ビデオテープで講演されたのが定本となったものです。
この本を読みながら、美智子皇后様の優しやや、温かい思いがつたわり、
いつも涙ぐむ私がいます。本の中の新美南吉氏の「でんでん虫のかなしみ」に触れていますが、私も好きな本で読みながら励まされできたことも多々あります。
ご紹介しますね。
「でんでん虫がある日突然に、自分の背中の殻に悲しみが一杯つまっていることに気付き、友達を訪ねて、もう生きていけないのではないか、と自分の背負っている不幸を話しました。友達のでんでん虫は、それはあなただけではない、私の背中の殻にも、悲しみは一杯詰まっている、と答えます。小さなでんでん虫は、別のお友達、また別のお友達を訪ねて行き、同じことを話すのですが、どのお友達からも返って来る答えは同じでした。そして、でんでん虫はやっと、悲しみは誰でも持っているのだ、ということに気付きます。自分だけではないのだ。私は、私の悲しみをこらえていかなければならない。そしてでんでん虫は、もうなげくことはやめたところで終わっています。
みんな、なにがしらの不幸や悲しみがあります。自分だけではないのです。
この本は、私に生きる勇気を与えてくれました。 (むかい)