ふたば学舎の日常

このブログでは【NPO法人ふたば(ふたば学舎指定管理者)】からの情報をお伝えしています。

震災学習勉強会④⑤開催のお知らせ

防災に関して新しい見方をみつけるための勉強会を二週連続でおこないます。

まず、3月20日(土)14時~15時30分に「防災をひらくヒント~高齢化率地図で地域を考える」。講師は、認定NPO法人まち・コミュニケーション代表理事の宮定章さんです。

そして、3月27日(土)14時~16時頃に「imagine, 災害の倫理~ナオミ・ザック『災害の倫理』を基に」。講師は、人と防災未来センター主任研究員の高原耕平さん、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授で『災害倫理』(勁草書房)の訳者でもある阪本真由美さんです。

f:id:npofutaba:20210225180658j:plain

どちらの勉強会も参加者間の討議を通して新たな防災の視点を獲得することを目指します。参加申込方法など詳細はチラシをご覧ください。よろしくお願いします。(やまずみ)

 

雑談:自分のしみついた考え方を変えるのは難しく、年をとれば依怙地になったりもしますが、そもそもの考え方が間違っていることがあったりして、はじめに素晴らしい考えだと思い込んでしまうとなかなか間違いに気付けなかったりします。

たとえば教育で言われる、不確実な時代に対応するための主体的な個人の育成。苅谷剛彦『コロナ後の教育へ』(中公新書ラクレ)によると、そうした抽象的な理想から考えるのは日本型教育改革のクセであり、「必要なのは過去の経験の徹底した帰納的検証である」ということです。で、ふと思うのは、そのクセは日本で教育を長年受けてきた自分自身にも付いているのかも、です。確かに、今は不確実なVUCAの時代(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)などと言われたりもしますから、素晴らしくて聞こえのいい抽象的な理想を言うのが無難ではあります。しかし、「不確実性が予想のできない事態である限り、その事態に対応するために必要な資質や能力の中身は確定できない」ため、「その育成の方法も確定できない」ことに気をつけなければいけません。ではどうすればよいか。『コロナ後の教育へ』では人文学的態度が勧められます。つまり、過去の知の生産過程を追体験し、そこから知を再生産し不確実性に向き合っていくという(帰納的)態度です。で、しみついた考え方を変えることに関する結論は、本をもっと読もう、そうすれば自分の考えが刷新される、でしょうか・・・。地味なのが一番。

f:id:npofutaba:20210225164613j:plain